Aさん「最近、肩が痛いのよね。動かすとすごく痛くて・・・」
Bさん「あなたもう歳なんだから40過ぎたら四十肩よ。50過ぎたら五十肩なのよ。どうせ治んないんだから放っておいたらいいんじゃない。しばらくすると治ったってみんな言ってるわよ。」
Aさん「えーそうなんだ。歳だから私もどうせ治んないのね。じゃあ病院行くのも面倒くさいから行くのやめるわ。」
Bさん「そうよ、痛み止めの薬を飲めば十分よ。」
Aさん「そうね、そうするわ。」
おやおや、すごい話しをしていますね。電車やバスに乗っているときやカフェでお茶をしているときなどに大きな声で話しているとよく聞こえてきます。40過ぎたら四十肩、50過ぎたら五十肩、もう歳なんだから、どうせ治らないとかいろいろ聞こえてきます。
以前、初診の問診中にこんなことがありました。
「お友達から聞いたんですけど、私の肩は四十肩って本当ですか?もし四十肩だったら放っておいて治ったって聞いたんですけど放っておいてもいいですか?もう来なくてもいいですか?」お友達に言われて心配になって受診された方が私に実際に言った言葉です。
いったいどうしたんだろうと私はとても心配になりました。このお友達も悪気があって言っていることではないと思いますが、相手の不安をあおるようなことは言わないでくださいね。
「肩が痛いのなら、あそこの先生に相談したら。」と、勧めてください。その前に、四十肩五十肩とは何なのか解説していきます。
四十肩と五十肩の違い
四十肩五十肩と一般的によく聞きますが、本当のところは発症原因は知られていないのが現実です。一般的には加齢からくるものと考えられ日常生活に影響がでるほどの肩の痛みや動かなくなってしまうことが多いです。40代で症状がでると四十肩、50代で五十肩と呼ばれていますが、症状は同じで一種の関節痛となります。
四十肩・五十肩の原因
そもそも四十肩五十肩とは正式名称ではなく俗称です。医学的には「肩関節周囲炎」とされています。関節周囲炎とは、肩関節の周囲の痛み(炎症)と可動域制限(関節の動きが悪くなる、狭くなる)をさします。肩関節に痛みが起こる疾患の総称とも言えます。
医学的には明らかな原因は現在も完全にはわかっていないとされています。しかし、肩関節を構成する筋肉、靭帯、腱、関節包、滑液包、骨、軟骨などの組織に何らかの原因で発症することはわかっています。
そこで、症状がでているところや炎症をおこしているところから分類すると、
- 石灰沈着性腱板炎
- 肩関節腱板炎
- 上腕二頭筋長頭腱炎
- 肩峰下滑液包炎
- 烏口突起炎
- 肩関節拘縮
- 肩鎖関節炎
- 腱板断裂
- 腱板損傷
などに分類されます。
発症している場所や症状が特定されれば処置が早く開始されて症状も早く治まります。また、複数の症状が重なっている場合がありますので、早めの検査が必要です。
四十肩五十肩は年齢と関係あるの?
四十肩五十肩の原因に「老化」が含まれる場合がありますがありますが、完全に明らかにされていません。確かに歳を重ねると疲れがたまって、筋肉に血行不良が起きたり、関節の動きが悪くなったりします。しかし、20代30代の若い世代にも発症することはありますし、60代70代になっても発症しない人もいます。
ですから、年齢は特に関係なく、日常生活や仕事、趣味、スポーツなどによって肩への負担が大きくなると発症しやすくなると考えられます。
四十肩・五十肩の症状
主な症状は痛み(炎症)と関節可動域の制限(関節の動きが悪くなる、狭くなる)です。詳しく解説していきます。
肩の痛み
・安静時痛
じっとしている時に痛みがでる。
椅子に座っている時、テレビを見ている時など肩を動かしていないのに痛みがでる時です。
・可動時痛
肩を動かすと痛みがでる。
物を取ろうとした時や服の着替え、髪を洗ったり乾かす時など肩を動かしたときに痛みがでる。
・夜間痛
夜寝ている時に痛みがでる。
しかも、寝ている時に肩の痛みで目が覚めたり、寝付けないことがある。
肩が上がらない
肩に痛みがあって動かすと痛いのですが、ひどい場合は肩が動かせないことがあります。前から上に挙げる、横から上に挙げる、後ろに回す動作が制限されて全く動かないことがあります。腕を挙げようとすると、体を倒して挙げようとしたり、反対の手を使って何とか挙げようとします。
激しい痛みで全く動かない時は、腱板断裂など重症の場合もありますので早めに検査をしましょう。
四十肩、五十肩と肩こりの違いは?
肩こりの主な原因は、「筋肉の血行不良」です。温めたり、ストレッチをしたり筋肉をほぐして血行を良くしてあげると凝りや張りは治まってきます。
一方、四十肩五十肩は肩関節の痛みと関節可動域の制限ですので温めたり動かしたりすると逆に症状が強くなります。
肩を温めてしまったり、動かすと痛いのにストレッチをすると良くなると思い込んでやってしまうと悪化することがありますので早めの検査が必要です。
四十肩・五十肩 予防
主な症状や肩こりとの違いがわかったところで、予防法の解説をしていきましょう。
四十肩、五十肩の予防とは
四十肩五十肩の原因がはっきりしているものの中には、主に肩関節のインナーマッスル(表面ではなく奥にある筋肉)にあります。
このインナーマッスルと呼ばれる筋肉は長期間全く動かさないでいると、筋肉が硬くなり関節が動きにくくなり、いざ動かそうとすると動かせなくなります。
ですから、軽い運動はもちろん、ストレッチなどを上手に日常生活の中に取り入れて対策するとよいでしょう。
肩のストレッチ
普段の生活の中で、肩の高さより腕を上に挙げることはほとんどありません。着替えの時や洗濯物を干す時くらいです。ですから、肩が痛いことや可動域が狭くなっていることに気が付かないことが多いのです。
ここでは、腕を高く上げるストレッチを紹介します。
腕を上げた時に、上げづらさを感じたり、少し痛みを感じた場合は無理をせず痛みのない範囲で行ってください。
- 肩幅に脚を開いて背筋を真っすぐにして立つ。(椅子に座っても良い)
- 両手を組み息を吸いながらゆっくり真上に上げていく。完全に真上でなくてもよい。上にあげることに意味があるので、多少斜めでもよい。手を組むことで上に上げづらい時はバンザイでも良い。
- 息を吐きながら大きく横から下ろしていく。
この動きを10回くらい繰り返す。もっと他のストレッチを知りたい方は、あなたに合わせたストレッチを紹介します。
日常生活の注意点
四十肩五十肩を予防するためにはストレッチ以外にも普段の日常生活にもポイントがあります。
- 仕事などでパソコンを使う時に長時間同じ姿勢をしないこと。
- 睡眠時間をキープして寝不足にならないこと。
- お風呂で湯舟に浸かるなど血行を良くすること。
他にもいろいろありますので、不安なことや質問があればいつでも相談してください。
まとめ
当院を訪れる方には、他の人に聞いたことを正しいと思い込んでしまっていたり、痛いところを冷やさないといけないのに温めてしまったりして、世の中にある間違っている情報を信じていることがあります。
昨今のネット社会でもたくさんの情報が簡単に手に入ります。ですが、そこにはあなたの情報はありません。あなたにとって正しい情報を得て、早く良くなってほしいと私は思っています。
当院の治療の進め方としましては、
- 根本療法
- 再発防止
- 無痛の特別な治療法
- 充実したカウンセリング
- 骨盤、歪みのチェック
- 効果確認
- お家でのアフターケア
を、「あなたに合わせた」、「あなただけの施術」をしています。あなたと同じような症状をお持ちの方がたくさんご来院されています。ひどい症状になる前に是非ご相談ください。